toikoのブログ

大腸がんステージ4

見落とされた私のガン

私のガンの原発巣は、大腸の上行結腸と横行結腸の境目あたり…カーブの所にあった。


最初の症状は、胃痛ー(自分では痛みが胃にあると思い込んでいた。)

おととしの夏の終わり…

その夏の食べ納めのスイカか~と、ちょっとスイカを食べすぎた夜…

胃が重苦しく感じ、スイカの角がゴツゴツ胃壁に当たるような痛みがあり、慌てて胃薬を飲んだが、何日か症状は改善せず、それから食べた物によっては、痛みを感じるようになってきた。夏の疲れとストレスで、胃が弱ってるのかな?と、市販の胃薬をあれこれ変えて、調子のいい時もあったりして、そのうち治るだろう、と軽く考えていた。


私には、親しくしていた内科医がいた。2~3ヶ月に一度、検査をして血圧、血糖値、コレステロールなどを診てもらい、投薬を受けていた。


胃に症状が出始めた秋…

いつものように血液検査をしたら、今までなかった貧血の項目にチェックが入った。

かかりつけ医に、「もしかしたら、どこからか出血してるのかも?」と、尋ねられ、「下の方からの出血は認められませんが、そう言えば、最近胃の調子が悪くて…痛みもあり、市販の胃薬を飲んでました。」

私は、自分の体に起きていることを答えながら、もしかしたら胃潰瘍かも?と、勝手に想像していた。


「婦人科系も心配だけど、まずは、胃に症状があるみたいだから、胃カメラを撮りましょう。とりあえず胃薬を出しておきます。」


初体験の胃カメラも、これで痛みから解放さるる、という安堵感で予約を取った。

投薬により、何となく楽にもなり、

胃潰瘍なら、服薬で治せるのかな…

なんて、また軽く考えていた。


「ん~、ちょっと荒れているとこもあるけど…」

胃カメラの結果、貧血の原因となる所見は、見当たらず、

私は、拍子抜けしたのと同時に、新たな不安が襲ってきた。

婦人科系?

とりあえず、また胃薬と貧血の薬を処方して貰って、貧血の値が改善しなければ、婦人科も受診しなければ…


その後、胃カメラで異常なし、と言われたにもかかわらず、時折、胃痛はやって来た。

また、血液検査をし、貧血は改善していたので、貧血の件はすっきりして、まだ症状のある胃は…胃が治るのは時間がかかるんだなぁと、のんびり構えてしまい、胃薬の投薬が続いた。


去年の元旦…

せっかくのおせち料理も、胃痛のためあまり食べられず、

3が日は、痛みとだるさで起きてられないほどだった。

仕事が始まると、不思議と痛みが治まったが、やはり時々痛みが出現し、しばらくはお粥など消化の良いものを食べるようにしてた。

が、2月になると、痛みの度合いはだんだん酷くなり、

息をするのも辛くなり、緊急で診てもらうことにした。

大腸の内視鏡検査で、なかなか手の空かない主治医を、待合室の椅子にだらしなく横になって、しばらくの間待ち、やっと順番が来て診て貰ったが…

胃薬を追加されて、おしまいだった。


追加された薬が効いてるのか、食事に気を付けているのが効いてるのか、

2月の下旬までは、比較的落ち着いていた。


しかし!

そこからが、食べたものを吐くようになり、

吐けば、痛みもなくなった。

排便は少量となり、それは吐いているから当たり前か、と、疑問に思わなかった。

とにかく栄養を!と、プロティンや液体の栄養補助食品を摂取し、固形物はほとんど止めた。

時々襲う激痛…液体の嘔吐(メンマみたいな匂いだった)

嘔吐により、回復…


そんな日が続き、飲んだ薬もすぐ嘔吐してしまい、

体もフラフラになり、

もう限界…と思い、

かかりつけ医に電話で近くの救急病院を紹介して貰うことを頼み、とりあえず、紹介状をFAXで送ってもらい、それを持って行くことにした。

何日も風呂に入ってなかったので、体をさっと洗い、髪までは洗う体力がなかったが、

同居してる姪の車に乗せられて、

消化器では定評のある総合病院へ行った。


そこで受け入れてもらうことができ、

CT検査等の検査の結果、

腸閉塞と診断され、ステントを入れる緊急手術と入院となった。

手術の後、あんなに痛かったのが、嘘のように痛みがなくなり…

でも、緊急の手術のため、手術場を自分の汚物で汚してしまったことを申し訳なく思った。

「先生や看護師さん達を汚してしまって…」と、謝る私に、

「そんな事は、全然気にしないで下さいね。痛みが失くなってよかったですね。」

強面の先生が、にっこり笑って下さったのは一生忘れられない。


それでもまだ、腸を塞いでた出来物が、悪性のものであるとは自覚しておらず、

「仕事のアポイントのキャンセルをしなきゃ…何日間入院するんかな?」

なんて、目の前の事だけ悩んでた私は、おめでたい人間でした。

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